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「海外移住で体験したこと考えた事。三十年で出会ったもの」
東南アジアで着実に発展してきたタイ。この激動の時代三十年を起業家として生きた著者の、七転八倒の人生を伝えたい。ビジネスやプライベートで出会った人や家族、市民を従わせる者としか考えない官僚たち、ルール無用の商売人たち、偶然出会ってしまった事故や事件、経験を通し考察したこの国の社会、歴史まで。
著者: 小川邦弘
日本税理士合同事務所タイランド ogawa@nihon-zeirishi-cooperate.com

時事コラム2015-2016 第1回「五郎丸はスーパーヒーローか?」 

ラグビー日本代表が歴史的大躍進を実現し、日本には俄かラグビー・ブームが訪れた。新日鉄釜石が連勝に連勝を重ねた「松尾ジャパン」の時代以来、低迷していた日本ラグビーが世界の舞台で活躍し、4年後のワールドカップ日本開催を控え最高の御膳立てとなった。

この様な事態になるとはまったく想像もしていなかった私は、あの歴史的快挙の対南ア戦を見てもいなかったのである。翌日日本の姉からそのことを伝え聞いて、「えっ?それってラグビーの話?」と惚けた反応をした後、慌ててYOU TUBEの動画を探し、あの、最後の連続攻撃を見て感涙に咽んだ。ネットで日程を確認し、対スコットランド戦はバンコクのパブで観戦(結果は残念!!中3日のスケジュールと主審の厳しすぎる判定に悪態をつきながら)、対サモア戦はハノイのヒルトン・ホテル内にあるスポーツ・バーで観戦(家族連れで来ていた子供がバー内を走り回っていたので、ウェイトレスに苦情を言って大人しくさせ)、対アメリカ戦は、何と高校時代のラグビー部チームメイトと群馬県の磯部温泉の宿で観戦(すでにトーナメント進出の可能性は潰えていたため、冷静に勝利を噛みしめた)

しかも中心選手の五郎丸が、スーパーラグビーという、南アフリカ、ニュージーランド、オーストラリアで行われている、世界最高レベルとも云えるリーグ所属のチームにスカウトされ、近々に契約という素晴らしいニュースまで飛び込んで来た。

オールジャパンや五郎丸が更に活躍を続ければ注目度は高まり、低迷気味のラグビー人口が増え、選手層が厚くなっていけば、これが願ったり叶ったりであることは紛れもない。

しかし、しかしである。約40年前、早稲田大学全盛の頃、日比野監督の著書「早稲田ラグビー」を授業中に盗み読んで大泣きしていたオールド・ラガーとしては、五郎丸人気に対して素直になれないのだ。昨今は国際試合に於いても、トライを上げる毎にそのプレーヤーに抱きついたり、歓喜を大げさに表現するチームが多い。しかしトライも勝利もあくまで15人全員のものであるはずだ。「ラグビーにヒーローはいない。フィフティーン全員が身体を張ってゴールラインまでボールを運んだ結果がトライなのだ。」という日比野理論に一度染まってしまった私たちには、派手なプレイを見せた選手だけを持ち上げる昨今の風潮に物申したくなる。スクラムで生きたボールを出したフォワードの8人、特に最前列のフロント・ロー、敵の選手のひざ下に刺さる様なタックルをする者、敵の足元に身を挺して飛び込みセービングでボールキープをする者、そのすべてのプレイがトライに集約されるだけのことである。騒がれている張本人の五郎丸の態度を見よ、自らのトライやペナルティー・キックの結果を誇る動作をしたことがあるか?彼こそがその早稲田ラグビーの申し子なのであるから、当然といえば当然のこと。

我々の現役時代、この考え方はほぼ選手たち全員に浸透しており、トライした選手に「ナイストライ」の声は掛けるが、決して騒がず。本人は淡々と次のプレイに向かう。これが真のラガーなのだよ。と声を大にして言いたい。

ミス・サイゴン

この誌上で映画評を書くとは私自身思ってもみなかったが、素晴らしい作品と感じたので、コラムの趣旨とそぐわないのを承知でご紹介させていただく。

まずはタイの映画業界についてだが、タイの若者にとっての重要な娯楽の一つであり、食事と映画というのが多くのカップルが選ぶデートコースとなっている、入場料が安い(メインは500~600円、3D/4D等特殊なスクリーンで1,000~1,200円程度)こともあり概ね盛況である。現在映画館チェーンのトップであるメジャー・シネプレックスは自社開発のビル(多くのレストラン、ボーリング場、カラオケルーム、ファッションその他若者向けの小売店が併設)および大型ショッピング・センターに入居するかたちで、バンコク首都圏に30の拠点、それぞれにスクリーンが10~15幕稼働しているのだから、その市場規模には目を見張るものがある。このスケール・メリットが生かされ、ハリウッド他の新着映画は、米国とほぼ同時封切りだ。従って我々が日本の予告CFを見て作品に興味を抱いても、タイでの上映は2~3か月前に終わっている。洋画はタイ語吹き替えおよび英語オリジナル+タイ語字幕から選択できる。

さて、この作品「ミス・サイゴン」はご存知の通り英国ウェストエンドで25年前に生まれた超スタンダードなミュージカルである。以来ブロードウェイや日本でも現在まで繰り返し演じられ、ミュージカル作品に与えられる代表的な賞、ローレンス・オリヴィエ賞、トニー賞においても複数回賞を受けている。

先日、当地は連休でもあり、暇に任せて上記映画館のWEBサイトを見ていてこの題名が目に留まった。有名なミュージカルであるとは認識していたが、映画化された話は全く知らなかった。さらに検索すると、映画化されたこの作品は、現在東京の1館だけでプレビュー上映されているという。それでも私は、脚本から練り直した映画作品なのだろうと想像していたのだが、いざ見てみるとそれは舞台そのものを映画用に撮影した、いわばミュージカル・ライブ映像なのでる。昔のハリウッドで一時期ミュージカル映画というものが流行り、有名なものは私も鑑賞しているが、あれらはミュージカル形式のハリウッド映画というもので、舞台そのものを全編撮影した映画などはかつて無いのではないだろうか。前編、休憩5分後に後編、さらに10分休憩後に、25年前の主役俳優3名を交えたフィナーレまで、3時間以上に亘る長編となっている。当然だがまるで劇場でミュージカルを鑑賞している様だ。機会があれば本物の舞台を是非見たいものだ。

ストーリーは至ってシンプルで、米国の軍属としてベトナムへ駐留していた若者クリスと、戦火で焼け出され、17歳で止む無く米軍兵向けの売春クラブのダンサーとなったばかりのキムが出会い恋に落ちる。クリスは共に暮らそうと語る。その後キムの両親が決めていた婚約者トゥイがキムを迎えに来るが、キムは両親亡き後この婚約は無効だと言って従わず、しかもトゥイは米国と敵対するベトナム人民軍に所属しているため激高し、クリスとトゥイは銃を向け合うが結局トゥイは二人に罵声を浴びせ出てゆく。クリスはキムを米国に連れてゆくと約束をするが、ほど無い1975年4月30日、サイゴン陥落の日を迎え、クリスとキムは引き放されてしまう。ここは数々のルポルタージュや記事で報道された、米国大使館から最後のヘリが飛び立ち、門前に多くのベトナム人が押し掛け出国を望み泣き叫ぶというシーンである。

3年後、いつかクリスが迎えに来ると信じているキムが、バンコクでクリスと再会するのだが、クリスはエレンという米国人の妻を帯同しており、一方キムはクリスとの間に授かった息子タムを育てていた。
そしてクリス夫妻が話し合いの末タムを米国で育てると決心し、キムはその実現の障害になるであろう自らの命を絶つ。クリスは亡骸を、最初に出会った夜の様に抱き、クリスの絶叫で幕は下りる。
この様にストレートで単純な悲恋ストーリーだが、名作とは常にそういうものだと思う。キム役の女優、イーヴァ・ノブルゼイダの澄んでいてしかも力強い歌声が、今も耳に残っている。

多国籍面談

面談の登場人物
BOI投資促進官   A氏        D社社長     E氏
同         B氏        D社マネージャー F氏
KOTRA D社担当職員 C氏        私
A氏「こんにちわ。では御社の会社とタイで製造を行う製品と工程について説明してください」(タイ語)→ 私がF氏に通訳(日本語)→F氏がE氏に通訳(韓国語)
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カンボジア再訪 2015年11月 その2

前回より続く、カンボジア視察の記録である。この視察は「NPO法人 日本カンボジア交流協会」山田理事長のご一行に便乗する形で参加したので、この交流協会の職業訓練センター、日系人材派遣の「プロキャスト」さん視察、そして労働省にてイッサムヘン労働大臣との面談など、我々単独では絶対に叶わない、充実した視察内容であった。
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カンボジア再訪 2015年11月 その1

 3か月ぶりのカンボジア視察である。今回は日本カンボジア交流協会という団体の視察グループに便乗する形となった。率いる山田理事長は、カンボジアが国を開いた数年後、20年近く前からカンボジアの人達の職業訓練、日本語会話指導等を通じ、またカンボジア政府とも手を携える形でこの組織を発展させている。ご高齢ながら、そのバイタリティーと周囲への心遣いを拝見して舌を巻いた。

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