個人所得税の合算申告

 1997年に起きた通貨危機後の財政再建と、それでも衰えることのない直接投資に適応するためタイ国では「2000年会計法」が制定・施行された。

 施行後、グローバル化の流れにしたがい、様々な会計上、税務上の新基準が適用されている。法人税関連では、親子あるいは関連会社間取引における利益調整を規制するための移転価格税制、税務当局が適正な税収を得るため廉価販売を規制する市場価格制などが主なものである。ただし後者はグローバル化をお題目に拡大解釈し、推定課税の権利を極力利用しているという批判もあるが・・。また個人所得税関連で重大なのは、合算申告である。
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昨今の税務調査(日本本社、およびタイ現地法人)状況

ここ数年における企業海外進出ラッシュ、それに伴う国内の税収減少による税務側の調査強化、また現地法人側の対応、これらの状況についてレポートする。

近年、日本の管轄税務署からの調査の際、特に在外現地法人に関わる費用を重要視する傾向が顕著になっている。

例を挙げれば、主には下記のとおりである。

①現地法人設立に至るFS(フィジビリティー・スタディー)費用、即ち現地の投資環境・市場確保のための調査に係る出張費や、法律・経営管理の情報収集を目的とした現地コンサルタント費用等々、法人化以前の費用。
②法人設立・その他官公庁手続きに係る費用。
③法人設立後、技術支援や営業支援を目的とした出張費(渡航費用・滞在費用)。
④現地駐在員の給与および社会保険料
⑤利益還元の為の、長期にわたるロイヤリティー契約、技術支援契約。

上記についての日本側およびタイ側税務署の考え方は以下の通りだが、私自身、日本を離れてからの期間が半生近くにわたり、日本サイドの情報は現地クライアントからの間接情報であるため、正確さに欠けると思うので、予めご承知置き頂きたい。

①日本側: 日本本社が現地法人の株主であればほぼ本社側費用として認められる
タイ側: 現地法人が設立される以前の費用は、そのために必要な準備に係るものであっても、一切費用計上不可。
②日本側: 結果的に黙認されてしまうケースも多々ある。
タイ側: インボイス・領収証を設立期日以降に発行すれば、当然な必要経費として認められる。
③日本側: 基本的に現地法人の費用であると考える。
タイ側: 厳密には、出張費はタイ法人の社員、つまりローカル社員か日本人であれば現地の労働許可証を取得して給与を得ている者がタイから出張する場合に限るという見解。
④日本側: 日本滞在の被扶養者生活費および社会保険等々費用以外は現地側費用と考える様だが、ケースバイケースでネゴしている模様。
タイ側: カレンダー年の内180日以上タイに滞在する者はタイ居住者と看做され、収入を得た国に関わらず全額をタイにおいて申告し、納税後それぞれの国において相殺を行うという制度。ただし現実には調査も徹底しておらず、各企業の対応もそれぞれの判断、という状態。タイ国に持ち込んだ海外収入を加算すれば良いという見解も耳にする。
⑤日本側: 本社の収益となるので当然問題無し。
タイ側: ある製造品目・商品について、利益が上がってから契約したのでは親子間の利益移転と看做され損金否認される。逆にこの支出により大きく法人税が減額
または赤字化してしまう場合にも問題視される。したがって、製造・取引開始時に契約を交わし、支払い免除期間を設けるなどの工夫が必要である。

タイ国における税務の特徴と対策

納税者としての法人にとって申告納税上の日本との大きな違いは、先ずVAT(付加価値税)を毎月申告納税すること、源泉徴収のカテゴリーの多さ、それに法人所得税で言えば、損金として計上できる費用の範囲が狭いことであるかと思う。   
今回はこの3つのテーマについての概要を述べる。

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ヤンゴン・レポート

今回は、開放政策で注目を浴びているミャンマー、その首都ヤンゴンからの報告である。国土は日本の2倍弱、人口は約5千万というデータはあるが、英国の植民地から独立後、シャン族やカチン族といった山岳民族が独自の軍隊を持つ半独立地域もあり、データの信憑性はどうであろう。軍政から共和制に移行し現在では外資進出企業向けのダウェイ工業団地開発も始まり、日系大手企業の進出も決まっているという。軍政により立ち遅れた発展の結果、現在では人件費の安さが大きなメリットとなった訳である。 また、ルビー(世界シェア90%)等の宝石、石油、チーク等の木材、米(国土の60%が水田とも言われる)等の資源国でもあり、潜在力は非常に高い。

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