弊社役員執筆の下記著書につきまして、すでにクラウドファンディング上での支援者募集は終了しておりますが、
ペーパーバック2,000円、電子書籍1,500円にてご注文を承っております。
https://camp-fire.jp/projects/view/547272
「海外移住で体験したこと考えた事。三十年で出会ったもの」
東南アジアで着実に発展してきたタイ。この激動の時代三十年を起業家として生きた著者の、七転八倒の人生を伝えたい。ビジネスやプライベートで出会った人や家族、市民を従わせる者としか考えない官僚たち、ルール無用の商売人たち、偶然出会ってしまった事故や事件、経験を通し考察したこの国の社会、歴史まで。
著者: 小川邦弘
日本税理士合同事務所タイランド ogawa@nihon-zeirishi-cooperate.com

「税還付請求に対する税務調査」について

Q 弊社は製造業ですが、半年ほど前に付加価値税の還付申請を行ったところ、先週になってこの還付に対する税務調査を行うとのことで、出頭要請がありました。弊社の業績は不振でずっと赤字続きなのですが、この様なケースの税務調査に対する心構えなどアドバイスいただければ有難いです。

A 全く不合理な話ではあるのですが、2年前に歳入省が行った減免税プログラム(2016年4月月報に掲載)の影響で税収減となり、しかもその際このプログラムに登録した中小企業に対しては2018年1月1日に開始される会計年度まで一般税務調査は行わないことになっており、その結果税還付申請に対する税務調査は異常に厳しい態度で実施されています。

とくに赤字申告の企業に対しては、全く還付をしないレベルまで損金を自己否認・修正申告をさせるか、繰越欠損金をほぼ全額放棄させるか、その様なお達しが出され、各管轄税務署もこれに従っている様です。
似た様な事態は1997年の通貨危機以降にも経験しておりますが、税務署の態度は財政の事情によりあからさまですし、またその様なやり方も「税務官の裁量権」により公に認められていますので、日本人経営者としては全く受け入れ難い要求をされても、揉め事にならない範囲でじっくりと腰を据えて交渉に当たるべきだと思います。

税務官は他件も抱えているので早く実績を上げようと御社の同意を急かしてきますし、ローカル・スタッフも役人を恐れる傾向にあり、経営側に同意を促してきますが、納税者側に急ぐ理由は無いので、逆にあれこれと交渉を持ちかけ焦らすことで少しでも妥協を勝ち取る戦略ともなります。もちろん納税者には不服申し立ての権利が認められています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です