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「海外移住で体験したこと考えた事。三十年で出会ったもの」
東南アジアで着実に発展してきたタイ。この激動の時代三十年を起業家として生きた著者の、七転八倒の人生を伝えたい。ビジネスやプライベートで出会った人や家族、市民を従わせる者としか考えない官僚たち、ルール無用の商売人たち、偶然出会ってしまった事故や事件、経験を通し考察したこの国の社会、歴史まで。
著者: 小川邦弘
日本税理士合同事務所タイランド ogawa@nihon-zeirishi-cooperate.com

タイの警察

相も変わらず評判の悪いタイ警察の、最近の話題を拾ってみた。
①5月31日付にて発表された人事異動名簿に、すでに死去した警官の名が記載されるなど、ミスが488カ所見つかった。移動対象者は7,849人であったが、ジャカティップ警察長官は「ミスは全体のたった6%だ」と釈明。計算してみると仰ることは正しい様な・・・
②タイ警察は60万錠の覚せい剤を押収した。お手柄である。が、逮捕された4名の内の首謀者は、警察庁麻薬取締課に所属するスチャート警察3等兵曹。同兵曹は犯行を認め、近隣国から密輸した覚醒剤をタイ深南部のマレーシア国境に運んでいた、と供述した。確かに警察車両で運搬すれば最も安全ではある。
③タイ北部ピッサヌローク県で、運転をめぐるトラブルから警官の男3人が地元の大学生男女5人が乗った乗用車に拳銃を発砲し、さらに男子学生に暴行を加えていた。警官は男子学生に拳銃を突き付け暴行した上で同僚の応援を要請。駆けつけた同僚は空に向け拳銃を発砲し威嚇。居合わせた市民が止めようとすると、その市民にも拳銃を突き付けた。たまたま通りがかった制服警官がこの事態を収拾したが、一歩間違えれば銃殺され闇に葬られた可能性もある。のちにこの暴行事件の様子は、他の乗用車の車載カメラで撮影されていた動画がネット上で拡散し、警察への批判が広まった。そして当事者の警官は被害者へ金銭の支払いを申し出たが、当然被害者はこれを拒否し、県警へ被害届を提出した。
④東部チョンブリ県の民家で発砲事件があり、住人の28歳看護助手、50歳の母親、団体職員の男性が銃で頭部などを撃たれ死亡。目撃者によれば、40代の制服警官が住宅に押し入り3人を射殺し、ピックアップに乗り走り去った、という。同日チョンブリ警察曹長のティーラユット容疑者が警察署に出頭し逮捕された。取り調べの結果、容疑者は4年前から被害者の看護助手と不倫関係にあり、訪ねて来た容疑者が被害者の看護助手と団体職員が一緒に寝室にいるのを見つけ、逆上し犯行に及んだといういきさつが判明した。

まあこの様な事件が日常的に報道されているが、一向に是正されることはない。公務員の給与が安いというのが一因と言われているが、まるで国家権力を背負い拳銃と手錠を堂々と装備した暴力団員が、大勢街中を闊歩しているのだから始末に困る。したがって市民の側も警察官を嫌悪しており、出来るだけ関わら無い様に生活するか、カネとコネで警察官を利用し厄介ごとの際に有利な立場を得ようとするかのどちらかだ。
 特に繁華街では、賄賂を払わなければ管轄の警官にあらぬ嫌がらせを受けることが多く、飲食店経営者や屋台主が、日本で云う「みかじめ料」を払っている例も多い。これが警官たちにとっては大きな財源であり、有名な繁華街を有する管轄の警察署に配属して貰える様、これまた警察内での賄賂が飛び交っているとも聞く。

 私自身の経験でも、やむを得ず数分の路上駐車をしようとした際、酷い態度で警官にとがめられ、最後は目の前で手錠をジャラジャラと振りかざし「逮捕されてえかこの野郎!」と脅されたことがある。もちろん若かりし頃の話で、今では年の功で何を言われても甘える様な態度で懐柔するというテクニックを身に着けている。
 政府がいくら綱紀粛正を主張しようと、足元の現実は中々変わるものでは無い。

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