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「海外移住で体験したこと考えた事。三十年で出会ったもの」
東南アジアで着実に発展してきたタイ。この激動の時代三十年を起業家として生きた著者の、七転八倒の人生を伝えたい。ビジネスやプライベートで出会った人や家族、市民を従わせる者としか考えない官僚たち、ルール無用の商売人たち、偶然出会ってしまった事故や事件、経験を通し考察したこの国の社会、歴史まで。
著者: 小川邦弘
日本税理士合同事務所タイランド ogawa@nihon-zeirishi-cooperate.com

バンコク・飲食業の活況

タイ国への直接投資が活況を極めていることは以前より報告している通りだが、最近とみに目立つのが、日本人あるいは日系飲食関連企業による投資だ。

製造業その他、企業進出による邦人市場の拡大によることは大前提だが、著しいのはローカル市場向け和食産業の台頭である。以前は和食と言っても我々から見ると偽物としか思えない“日本食風”レストランが大ヒットし、個人企業が投資を呼び全国チェーン展開の産業に育ってしまったなどというバンコク・ドリームがかつてあったという程度であった。しかし昨今、高級市場では、目の玉が飛び出る様な価格の本格的寿司店がタイの富裕層の間で流行ったり、一方ではディスカウントセンターの一角にある1,000円食べ放題の寿司+しゃぶしゃぶ店(これも大手チェーン)に行列ができ40分待ち、という現象も起きている。
ローカル向けラーメン店、焼き肉店もあちらこちらで見かける。タコやきはすでに屋台で売られる軽食と化している。但しこちらは中身がタコではなく、イカはまだ許容範囲だが鶏肉や豚肉もあり、上からかけるマヨネーズはかなり甘いものなのでご用心。
この様により本格的、高級なものから庶民向けにアレンジされた安価品まで、和食は庶民層にまでかなり浸透している。

考えてみれば我々にとって和食は常食であり、特別な席でなければそこで大枚をはたく
こともないが、現地の人々にとって和食はごちそうを食べに行く感覚なのだから、財布の紐も緩むのである。

そこで日本人経営者も、10万人に満たない邦人市場の中で激戦に加わるか、目先を変え6,000万ローカル市場の中で地域のパイオニアを目指すか、選択肢は広がっている。
しかもこの市場は今現在バブルに近い状態が続いており、マンションやビルの建設ラッシュ、ショッピング・モールもバンコク中心から郊外や地方都市に向けた投資計画が相次いで発表されている。つまり直接投資拡大により裾野のタイ市場はまだまだ拡大傾向にあるという見方ができる訳だ。
店舗が増えれば当然食材市場も充実してくる。今時入手困難な和食用食材は殆ど無い(日系醤油メーカー、製麺所もあり)為、“日本よりも和食が安く提供できる”珍しい国、だとも言える。

また、近年値上がり傾向にある人件費、賃貸料等もまだまだ安く(最低賃金は約27,000円/月)、投資に踏み切る諸条件もハードルが低い。ここ数年で目立つことだが、近隣諸国の人達つまりミャンマー、ラオス人のウェイトレスやコックが非常に増加している。
彼らは押し並べてタイ語の習得が非常に早い。何故ならミャンマーという国はバングラデシュ系、またシャン、カレン、カチン等々の山岳民族も多く、異言語との接触にも慣れている事情があり、一方ラオスの言語ラオ語は元々タイの東北地方の言葉であるイサーン語と同系統の言語であり、首都ヴィエンチャンは数十年前よりタイ・バーツ経済圏と見做しても良い状況にある為、である。人の流れも水の如し、彼らもまた飲食業の人手不足を補う有難い存在である。

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