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「海外移住で体験したこと考えた事。三十年で出会ったもの」
東南アジアで着実に発展してきたタイ。この激動の時代三十年を起業家として生きた著者の、七転八倒の人生を伝えたい。ビジネスやプライベートで出会った人や家族、市民を従わせる者としか考えない官僚たち、ルール無用の商売人たち、偶然出会ってしまった事故や事件、経験を通し考察したこの国の社会、歴史まで。
著者: 小川邦弘
日本税理士合同事務所タイランド ogawa@nihon-zeirishi-cooperate.com

タイ投資員会(BOI)の投資奨励

 当地では投資奨励法に基づく投資に対し、BOIの設定したそれぞれのカテゴリーに対する恩典が付与される。

* タイ国への貢献が期待されるカテゴリーを定め、投資事業を奨励しています。BOIが公表して いる「投資奨励業種リスト」に含まれている事業を差します。
* 原則として、これから資本投資を行う事業計画に対し奨励しています。(ここでいう事業は、会社単位ではなく、申請する業務内容・規模をベースとしたプロジェクトであることに留意しなければなりません。
* 付与される恩典の主なものは、法人税減免・機械および原材料の輸入関税減免、土地所有許可・赴任する外国人に対するビザおよび労働許可証申請の簡便化・外国人事業規制の免除です。
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タイで設立する株式会社

 日系企業としてタイに進出する際、その殆どのケースは非公開株式会社に分類される。また営利を目的としない駐在員事務所、地域統括事務所を設立する場合もあるが稀である。さらに有限会社という形態もあるにはあるが、前回解説した労働許可証取得要件に適合しない為、これは対象外と云える。したがって今回は、非公開株式会社に絞って解説する。

 日本と同様、株式会社は、株式に分割され、それぞれの所有株式の満額払込みに責任を限定された株主の資本により設立されるものである。ただし日本の授権資本金の制度(取締役会の判断で決定された授権資本金額の範囲内で、いつでも新株を発行できる)に対しこれを登録資本と呼び、発起人が資本総額を決定し、株主は発行された全株式を株主が引き受ける制度となっている。初回払い込みは総額の最低25%を下回ってはならず、会社は株式を引き受けた株主に対し、いつでも残額払込みを要求することができる。
会社設立の際、次の登記事項が求められる。①会社名②所在地③会社の目的(業種)、資本の50%以上が外国法人または外国人の場合には外国人事業規制法で禁じられていない業種であること。④法人・個人を問わず3名以上(氏名、住所、国籍、引受株数を明記)⑤発起人⑥取締役および代表取締役の署名登記、代表権者(単独または複数)⑦付属定款(取締役会の開催、取締役の任命・解任あるいは株式、配当など)⑧会社印、印影を登録し、署名と押印により代表権を行使する。署名のみの登記も可能だが、多くの銀行が社印登録を口座開設の要件としている。

株主の権利 ①株主総会出席の権利②株主総会で議決権を行使する権利③代理人を選定し、議決権を行使する権利④会社が受けた被害に際し、取締役に対し賠償を求める権利⑤瑕疵ある総会決議の取り消しを裁判所に求める権利⑥財務諸表の開示を求める権利⑦株主名簿の開示を求める権利⑧配当を受ける権利⑨株式譲渡の権利⑩株主総会議事録、取締役会議事録を閲覧する権利⑪持ち株比率に応じ新株を引き受ける権利⑫残余財産の分配を受ける権利

株式の譲渡 上記の通り、株主は株式を譲渡する権利を持っているが、付属定款の定めにより譲渡制限(例えば株主総会や取締役会の決議)を受けることがある。

 譲渡の際には、新株主の権利を毀損せぬ様、以下の手続きを行う旨、規定されている。

① 株式譲渡書の作成
② 株式譲渡書の会社への提示
③ 株券の提出、新株券の発行要求
④ 株主名簿の書き換え要求
株主総会 株主総会の決定事項と規定されているのは①基本定款(社名、所在地、登録資本、会社目的)の変更②付属定款(会社の規則)の変更③取締役の任命、解任④取締役数・報酬の決定⑤財務諸表・事業報告の承認⑥配当決議⑦監査人の選任・報酬の決定⑧増資・減資決議⑨解散決議⑩合併決議、以上とされている。

定時総会および臨時総会 法人設立登記後の総会、および年1回決算期日後4か月以内に開催される総会を「定時総会」と呼びこれ以外を「臨時総会」と云う。定時総会で通常決議される事項は、①財務諸表・事業報告の承認②利益処分の決議③取締役の選任・退任

 以上が会社法に定められた非公開株式会社の仕組みである。

タイの労働許可証

 前回の入国ビザに引き続き、労働許可証について解説する。

1 申請における条件

 先ず、外国人事業法に定められた外国人就労の条件として、入国・滞在の為の就業ビザと並び定められているものである。自営・就業に関わらない。期限は1年、期限満了までに次年度への更新手続きを行う。
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タイの入国ビザ

 政治紛争がほぼ収束されたこの機会に、原点に立ち返りタイのビジネス入門、即ちタイへ進出する企業が先ず押さえるべき基本事項を解説したい。

 先ずはタイ入国~駐在に関わる資格の第一として、ビザ、労働許可についてである。

 現在、観光目的で30日間以内の滞在であればノー・ビザで入国可能。ただし目的に関わらず年間(カレンダー年単位で)180日間以上滞在するとその者はタイ居住者と見做され所得申告の義務が発生するので、ビザなしで出張を繰り返す場合には注意が必要。また、任意の半年間にノー・ビザでのタイ滞在は90日間まで、これを超える場合には(オーバーしてしまう入国の前に)ビザ取得をしなければならない。
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待ってました「戒厳令」

 不謹慎な表題で恐縮だが、これは実感である。

 日本でも本日5月20日付で報道されている通り、タイ国陸軍司令官は本日午前3時、「戒厳令」を発令した。私は今朝出勤前に、実は日本にいる姉からのLINEによるメッセージで知った。それを聞き「ああこれでやっと政治混乱も収束するな」と思った。
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