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「海外移住で体験したこと考えた事。三十年で出会ったもの」
東南アジアで着実に発展してきたタイ。この激動の時代三十年を起業家として生きた著者の、七転八倒の人生を伝えたい。ビジネスやプライベートで出会った人や家族、市民を従わせる者としか考えない官僚たち、ルール無用の商売人たち、偶然出会ってしまった事故や事件、経験を通し考察したこの国の社会、歴史まで。
著者: 小川邦弘
日本税理士合同事務所タイランド ogawa@nihon-zeirishi-cooperate.com

ヴィエンチャン・レポート

5月12日12:55、タイ航空TG570便にてラオスの首都ヴィエンチャンに降り立った。おそらく12~3年ぶりになるだろうか?アジアの最貧国の一つ(GDP世界129位)。東南アジアでは唯一の内陸国。海が無く、国土は日本の6割程ながら平地も少なく、人も少ない(人口632万人)。したがって一般的に言われる発展要素に乏しい。また観光資源も無きに等しい。日本人にもあまり知られていない。

しかしこの国に対して、私の印象は決して悪くない。微笑みの国として好ましいイメージを持たれながら、ご他聞に漏れず人心まで都市化してきたバンコク人を25年間見つめてきた私としては、何と昔のタイに戻ってきたという郷愁に浸ることのできる国なのである。

しかもラオス語はタイ東北地方の方言と酷似しており、またビエンチャンでは当たり前の様に皆タイのテレビ番組を見ているので、殆どタイ語で会話ができる、便利な外国である。 金銭に執着することが未だ定着していない素朴な人たちだと、常々感じている。まるで何十年も前のタイの人々そのものなのである。

しかし近年、何が良いのかメコン川沿いの一地区に新しいホテルやレストランが立ち並ぶようになり、ツーリスト・エリアが出来つつある。欧米人観光客も目立って増えてきた。

我々にとっては今更珍しくも無いお寺や、またメコン川の雄大な流れを眺めるのも、彼らにとっては一興なのかも知れない。何よりも、知られざる神秘的な国というイメージなのだろう。

確かに、ホテルの内装も従業員の応対も、また朝食もまずまずのものであったが、如何せんインフラが追いついていない様だ。季節が酷暑期ではあるのだがクーラーは出力が足りず、停電もあり、おまけに私の部屋のセフティーボックスは、開けるたびにボーイを呼ばなければならない代物であった。つまりホテル従業員に対してはまったくセフティーで無い。

実は、ラオスは丘陵地が多い為水力発電には適した国で、タイの電力会社の投資でいくつも発電所が建てられ、タイへ送電している電力輸出国なのである。しかし悲しいかなその電力は、ヴィエンチャンを素通りしてタイへ送られてしまう様だ。

街中にも新しい建物が目立ち、変わっているという印象はある。タラート・サオ(朝市場)と呼ばれている建物もすっかり綺麗なビルになり、観光客向けの土産物センターになった。聞くところによれば、ビエンチャンには(つまりラオスには)映画館が皆無、ただボウリング場はあるらしい。そこは客も極僅かで、BGM無し。ただボールの転がる音とピンの倒れる音が響き渡り、これもラオスらしい素朴な雰囲気なのだそうだ。おまけにホール内ではただ一人の従業員である受付嬢が後ろに立ち、ストライクやスペアを取る度にパチパチと拍手をしてくれるという。

翌日は帰路を変更し、陸路でタイ国境を超え、つまりメコン川に架かる橋を渡って国内便でバンコクへ戻ったのだが、国境まで送ってくれたタクシーの運転手がつり銭を持っておらず、日曜ということで両替をする場所もなく、結局400バーツのところを300バーツ支払い、差額100バーツ(約250円、ただし彼には大金だろう)は次回で良いということで帰って行った。やはりイイ人の国である。彼の携帯NO.は聞いているので、次回は空港まで迎えを頼むつもりでいる。

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