近年、タイ国内の工場においての労働力不足が深刻な状況であると常に取り沙汰される様になった。統計によれば、ベビーブーム世代がすでに35~45歳に達し、工場労働力としては壮年であり、新規の労働力には適さない。また農業による収入が改善され、労働者の収入との差が縮小された、等々が要因とされている。前者については、現地事情をあずかり知らない日本人には理解しにくいのだが、まだまだ当地の平均寿命は短く、中高年で単純労働に就くことは考えられず、また一方で子が親の生活を支えることは全く当たり前のことであるという習慣も影響しているであろう。まだ40代の父母を養うため、学歴のない娘さん、息子さんたちがバンコクで昼夜を問わず働く、という姿はある意味日本の社会が失ってしまった美談にも聞こえるが、これがタイの身分制社会、悪く言えば貧乏の連鎖を固定化している大きな要因であることも確かだ。
海外
ヤンゴン・レポート
今回は、開放政策で注目を浴びているミャンマー、その首都ヤンゴンからの報告である。国土は日本の2倍弱、人口は約5千万というデータはあるが、英国の植民地から独立後、シャン族やカチン族といった山岳民族が独自の軍隊を持つ半独立地域もあり、データの信憑性はどうであろう。軍政から共和制に移行し現在では外資進出企業向けのダウェイ工業団地開発も始まり、日系大手企業の進出も決まっているという。軍政により立ち遅れた発展の結果、現在では人件費の安さが大きなメリットとなった訳である。 また、ルビー(世界シェア90%)等の宝石、石油、チーク等の木材、米(国土の60%が水田とも言われる)等の資源国でもあり、潜在力は非常に高い。
ヴィエンチャン・レポート
5月12日12:55、タイ航空TG570便にてラオスの首都ヴィエンチャンに降り立った。おそらく12~3年ぶりになるだろうか?アジアの最貧国の一つ(GDP世界129位)。東南アジアでは唯一の内陸国。海が無く、国土は日本の6割程ながら平地も少なく、人も少ない(人口632万人)。したがって一般的に言われる発展要素に乏しい。また観光資源も無きに等しい。日本人にもあまり知られていない。